◎犬パラインフルエンザの病原体
犬パラインフルエンザの病原体は、犬パラインフルエンザウイルス(CPIV:canine parainfluenza virus)です。
このウイルスは、Paramyxoviridae科のParamyxovirus属に分類されます。
◎犬パラインフルエンザウイルスの感染経路
犬パラインフルエンザウイルスの感染経路は、次のとおりです。
- 犬パラインフルエンザウイルスに感染した犬の咳やくしゃみによる飛沫感染
- 犬パラインフルエンザウイルスに感染した犬の唾液や鼻水などの排泄物による経鼻・経口感染
◎犬パラインフルエンザの症状
犬パラインフルエンザウイルスに感染すると、次のような風邪のような症状が現れます。
- 咳
- 鼻水
- 発熱
- 元気がない
- 食欲の低下
犬パラインフルエンザウイルスの単独感染の場合は、比較的軽い症状で回復に向かいますが、他のウイルスや細菌との混合感染により重症化します。
特に犬アデノウイルスⅡ型や気管支敗血症菌などとの混合感染は、「ケンネルコフ」と呼ばれております。
◎犬パラインフルエンザの治療
犬パラインフルエンザに有効な特効薬はありません。
軽度の症状の場合、治療の必要はありませんが、「ケンネルコフ」など症状が重症化している場合は、次のような対症療法を行います。
- 咳の緩和 → 鎮咳薬の吸入
- 二次感染の予防 → 抗生物質の投与
- 体力の回復(免疫力の向上) → 点滴、栄養剤の投与
- 感染した犬の隔離
- 飼育環境の消毒
◎犬パラインフルエンザの予防
犬パラインフルエンザの予防には、定期的なワクチン接種(子犬は2回~3回、成犬は年1回)が有効です。