犬アデノウイルスⅡ型

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犬アデノウイルスⅡ型は、犬伝染性気管気管支炎(別名:ケンネルコフ)を引き起こす病原体の一つです。

◎犬アデノウイルスⅡ型の病原体

犬アデノウイルスのⅡ型が病原体です。

犬アデノウイルスには、Ⅰ型とⅡ型の2つのタイプがあります。
犬アデノウイルスⅠ型は肝炎(伝染性肝炎)を引き起こし、高熱、神経症状(ふらつくなど)ブルーアイ(眼の色が青白くなる症状)などの症状が表れます。
犬アデノウイルスⅠ型の感染症が重症化すると、突然死することもあります。

犬アデノウイルスⅡ型は、人間の風邪に似た症状が表れます。

◎犬アデノウイルスⅡ型の感染経路

犬アデノウイルスⅡ型の感染経路は、次の通りです。

  • 犬アデノウイルスⅡ型に感染した犬の咳やくしゃみによる飛沫感染。
  • 犬アデノウイルスⅡ型に感染した犬に接触することによる感染(接触感染)。
  • 犬アデノウイルスⅡ型に感染した犬の排泄物(尿)を舐めることによる経口感染

◎犬アデノウイルスⅡ型の症状

発熱、咳、くしゃみ、鼻汁、扁桃腺炎、肺炎、気管支炎など呼吸器疾患を引き起こします。
犬アデノウイルスⅡ型に単独で感染した場合は、症状が軽い場合が多く、1週間~2週間程度で回復します。

他のウイルスや細菌との複合感染した場合、および抵抗力が低く体力のない子犬や老犬が感染した場合には、症状が重症化します。
肺炎を起こすと、死亡する場合もあります。
なお、呼吸系疾患を抱えている犬の場合には、症状が急激に進行する場合がありますので、特に注意が必要です。

◎犬アデノウイルスⅡ型の治療

犬アデノウイルスⅡ型に有効な特効薬はありません。
症状が軽い場合には1週間~2週間程度で自然治癒してしまいます。興奮させないように安静を保ち、栄養を十分与えます。
他のウイルスや細菌の複合感染が疑われる場合には、抗生物質などの投与を行います。

◎犬アデノウイルスⅡ型の予防

犬アデノウイルスⅡ型には、定期的なワクチン接種(子犬は2回~3回、成犬は年1回)が有効です。

犬アデノウイルスⅡ型の感染が疑われる場合には、他の犬から隔離します。

犬舎などを消毒する場合には、通常使用される消毒薬(アルコールやクレゾール、逆性せっけんなど)では効果がありませんので、次亜塩素酸ナトリウム(※1)を使用します。

※1:塩素系の衣類用漂白剤(ハイター、ブリーチなど)を水で薄めて(漂白剤:水=1:25)使用します。


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