<この訓練の概要>
飼い主さんとの主従関係が出来ていない子犬の場合、自由に動き回れるように放すと自分の好きな方向へ行こうとします。
この訓練をすることで、飼い主さんとの主従関係が構築され、子犬が常に飼い主さんの近くへやってくるようになり、この後行う訓練がやりやすくなりますので、根気よく行ってください。
この訓練を行う時間の目安は、1回につき20分程度です。
長時間行っても効果が薄くなりますし、子犬にとってストレスとなってしまいます。
訓練を行う場合には、時間を決めて集中して行ってください。
<用意する物>
アイテム | 説明 |
ネックチェーン (チェーンカラー) |
ネックチェーン(チェーンカラー)は、愛犬がリードを引っ張ると首が閉まり、引っ張ったリードを緩めると元に戻ります。 リードでの合図が伝わりやすいので、効率よく躾(しつけ)を行うことが出来ます。 |
リード(引き綱) | リードは、腰のあるもの(革製のものなど)を選びましょう。 腰がなく柔らかいリードは、合図が伝わりにくいためこの訓練には向いておりません。 |
<基本訓練の手順>
① リードで鋭い合図を入れる
- 子犬にリードとネックチェーン(チェーンカラー)を着けます。
- 子犬をやや広い場所に放します。(この時、リードは短く持っていてください。)
- 短く持っているリードを緩めて、子犬が自由に動けるようにします。
- 緩んでいるリードが張りそうになった瞬間に、リードで鋭い合図を入れます。
- 子犬の反応をよく観察します。
◆リードで合図を入れる際のポイント◆
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② 子犬のストレスの解消
リードで鋭い合図を入れた場合の子犬の反応は、次のようなケースに分類することが出来ます。
- 飼い主さんの方へ、近寄ってくる。
- びっくりして、その場にうずくまって動かない。
- 怖がって、その場から逃げる。
- 噛みつくなどの攻撃をしてくる。
ここからは、子犬の反応毎に対応方法をご説明いたします。
☆「飼い主さんの方へ、近寄ってくる」ケース☆
ほとんどの子犬がこのケースになると思います。
このケースの場合、子犬はリードの鋭い合図でびっくりして、ストレスを感じています。
子犬が近づいてきたら、優しく「Good!、Good!、Good!、<子犬の名前>」のように声をかけながら愛情を込めて次の順番で体を撫でてあげてください。
体 → 前脚(左右) → 腰 → お尻 → 後脚(左右) → 頭
この時、1つの部位を10秒程度撫でたら、次の部位に移ります。
だいたい5回転する位まで続けてください。(合計で約5分くらい撫で続けます。)
体の撫で方は、毛並みに逆らって愛犬の地肌を刺激するように撫でてあげると効果的です。
☆「びっくりして、その場にうずくまって動かない」ケース☆
このケースはシャイな性格の持ち主の為、強いストレスを感じています。
ストレスを解消する方法は、「飼い主さんの方へ、近寄ってくる」ケースと同じですが、より長い時間(例えば、10回転くらい撫でるようにします)をかけてストレスを解消してあげるようにしてください。
このケースの場合、「飼い主さんの方へ、近寄ってくる」ケースと比べて、愛犬にこの躾が入るまでにはやや時間がかかります。
☆「怖がって、その場から逃げる」ケース☆
このケースは臆病な性格の持ち主です。
「びっくりして、その場にうずくまって動かない」ケースと同様に、ストレスを解消する方法は「飼い主さんの方へ、近寄ってくる」ケースと同じですが、より長い時間(例えば、10回転くらい撫でるようにします)をかけてストレスを解消してあげるようにしてください。
もし、子犬が怖がって震えているようでしたら、「信頼関係を構築する」ところからやり直してください。
このケースの場合も、「飼い主さんの方へ、近寄ってくる」ケースと比べて、愛犬にこの躾が入るまでにはやや時間がかかります。
☆「噛みつくなどの攻撃をしてくる」ケース☆
このケースは警戒心が強く、とても臆病で噛むことで自信を防御する性格の持ち主です。
このケースの場合、この訓練を行う前に愛犬に触れるようになる必要があります。
「信頼関係を構築する」ところからやり直してください。
③ ①と②の手順を数回繰り返します
- ①と②の手順を2回~4回程度、繰り返し行います。
- 繰り返す回数は、子犬の性格などによって異なります。
- リードによる鋭い合図によるストレスが強いほど、ストレスを解消する時間がかかりますので、繰り返す回数が少なくなります。
- リードによる鋭い合図と、ストレスを解消する為のスキンシップは必ずセットで行ってください。。
- 訓練する時間の目安は、1日あたり20分程度になるようにしてください。