動物愛護法の改正内容(消費者に関係のある部分のみ抜粋)
2012年9月4日に公布された動物愛護法の改正では、以下の点が変わります。(ここでは、消費者に直接関係がある部分のみ抜粋します)
- 施行日:2013年9月1日
- 犬猫を販売する場合に、事前に現物を確認させることが義務づけられます
- 犬猫を販売する場合に、対面による情報の提供が義務づけられます
- 生後56日齢を経過しない犬猫販売(引き渡し、展示を含む)が禁止されます(業者間取引を含む)
ペット産業団体により骨抜きにされた(!?)法改正(改悪)
当店では、悪徳ペットショップや悪徳ブリーダーの排除につながるこの改正を歓迎いたします。しかしながら、ここで問題となるのは「生後56日齢を経過しない犬猫販売(引き渡し、展示を含む)が禁止」です。
「えっ!何が問題なの?当店が兼ねてから主張していることではないの?」と思うかもしれません。
実はこの規制は、ペット産業団体の圧力で骨抜きとされてしまったようです。
改正された法律を詳しく見ていくと、生後56日齢の部分が附則により施行後3年間は「生後45日齢」と読み替えが行われます。施行後3年経過後は「生後49日齢」と読み替えられます。
この「生後49日齢」への読み替えは、「別に法律で定める日までの間」とされ、「別に法律で定める日までの間」については、「法律の施行後5年以内に検討する」とされております。
「5年以内に検討する」としか明記しておらず、読み替えを終了するとは明記しておりません。
もし、別に法律で読み替え期間の延長を行えば、いくらでも延長することができるようにも読むことができます。
つまり、子犬や子猫の健全な成長を無視した、動物虐待につながる販売方法を法律で推進しているともいえるのではないでしょうか。
この法改正は、販売者側であるペット産業団体にとって、都合のよい法改悪であり、消費者のことを無視した悪法であるといえると思います。
なぜなら、生後45日~生後60日ころの子犬や子猫は、見た目に最も”かわいい”時期であり、衝動買いを誘うにはちょうど良い時期でもあります。ペットショップとしては、成長した子犬や子猫を仕入れるには、在庫リスクが増加しますからね。
【参考】
かつてのアメリカでは生後8週齢に満たない子犬を劣悪な環境の生産工場(この子犬の生産工場はパピーミルと呼ばれていました。)で大量生産して、ペットショップで陳列販売されていました。動物虐待につながるこのような販売に対して、徐々に規制を求める声が高まっていきました。
現在では、州ごとの違いはあるものの、法規制(8週齢規制など)による子犬の安全が保たれているようです。
本来は、ペットと消費者の幸せの為に改正が行われなければならない筈ですが、この法改正では、日本版「パピーミル」を推進しているように思われます。
この法改正(改悪)はいったい誰の為に行われるのでしょうか?
弱い者いじめの法改正(改悪)
この法改正では、前述のとおり、「購入前の現物の事前確認」と「対面による情報提供」が義務付けられました。
この内容は、子犬や子猫の通信販売(主にインターネット通販)をペット産業から締め出すことが目的だといわれております。
現在、「購入前の現物の事前確認」と「対面による情報提供」については、例外を認めないという環境省令の案が提出されております。(これもペット産業業界による圧力が影響していると思われます)
このことにより、近所に展示販売を行うペットショップがない地域の方、または国内で繁殖数の少ない犬・猫種(希少犬・猫種)をお探しの方の負担は非常に大きなものとなり、ペットを飼う機会が失われることにもつながります。
特に、繁殖数の少ない犬・猫種(希少犬・猫種)や大型犬種は、店舗での展示販売されることはほとんどありません。(広い展示スペースが必要になりますからね。)
ペットを飼う機会は平等に与えられるべきではないでしょうか?
そればかりか、現在、都市部から離れた地域で地道に繁殖をしているブリーダーさんは、インターネットによる通信販売と口コミで、販売と繁殖のバランスを保てている方が多い現実があります。
特に繁殖数の少ない犬・猫種(希少犬・猫種)や大型犬種のブリーダーさんについては、広い繁殖スペースが必要となりますので、この状態が顕著に現れます。
このことは、繁殖数の少ない犬・猫種(希少犬・猫種)や大型犬種を繁殖するブリーダーさんの減少につながるだけでなく、ブリーディング技術の衰退や、犬・猫文化の喪失にもつながる危険性があると思います。
私には不平等で弱い者(ブリーダーさん)いじめのように思えます。
当店の今後の販売方法について
当店では、今回の法改正を順守いたします。
今後も今まで通り、子犬・子猫の社会化期を考慮して、生後8週齢(生後56日)を経過した子犬・子猫の販売することで、心身共に健康な子をご家族にお届けして参りたいと考えております。
今後は、インターネットによる子犬・子猫販売には、法改正により変化が求められてくると思いますが、現状でも以下のような販売スタイルが考えられますので、ご安心ください。(もう少し詳細が確定すると、具体的な販売方法も判ってくると思います)。
- ブリーダーさんから出産情報と、子犬・子猫の詳細情報をご提供いただく
- インターネットに子犬・子猫の情報を掲載し、お客様にご紹介する
- 現在のところ、以下のような販売スタイルが考えられます
- 販売スタイル1
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- お客様にブリーダーさんをご訪問いただきます
※当店スタッフも伺います - 現地(ブリーダーさん)で子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - 現地(ブリーダーさん)で、当店スタッフよりお客様にご説明いたします
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます
- 販売スタイル2
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- お客様のみ、ブリーダーさんをご訪問いただきます
- 現地(ブリーダーさん)で子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - 別途、お客様に当店スタッフがご面談させていただき、ご説明させていただきます
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます
- 販売スタイル3
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- 当店スタッフがブリーダーさんより子犬・子猫をお預かりします
- 当店スタッフがお客様ご自宅などをご訪問いたします
※子犬・子猫も一緒に伺います - お客様のご自宅などで、子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - お客様のご自宅などで、お客様に当店スタッフがご面談させていただき、ご説明させていただきます
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます
- 販売スタイル4
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- 当店スタッフがブリーダーさんより子犬・子猫をお預かりします
- お客様に当店(事務所)をご訪問いただきます
- 当店(事務所)で、子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - 当店(事務所)で、お客様に当店スタッフがご面談させていただき、ご説明させていただきます
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます
- 販売スタイル5
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- ブリーダー(遠方のブリーダーさんの場合)さんから当店宛に子犬・子猫を輸送していただきます
※この場合の輸送費用(ご購入の場合:片道 または ご契約未成立の場合:往復)は、お客様負担とさせていただきます - お客様に当店(事務所)をご訪問いただきます
- 当店(事務所)で、子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - 当店(事務所)で、お客様に当店スタッフがご面談させていただき、ご説明させていただきます
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます
- 販売スタイル6
- お客様より当店が子犬・子猫の見学予約を受け付けます
- ブリーダー(遠方のブリーダーさんの場合)さんから当店宛に子犬・子猫を輸送していただきます
※この場合の輸送費用(ご購入の場合:片道 または ご契約未成立の場合:往復)は、お客様負担とさせていただきます - 当店スタッフがお客様ご自宅などをご訪問いたします
※子犬・子猫も一緒に伺います - お客様のご自宅などで、子犬・子猫をご見学いただきます
【事前現物確認】 - お客様のご自宅などで、お客様に当店スタッフがご面談させていただき、ご説明させていただきます
【対面情報提供】 - お客様と当店で販売契約を結びます