ペットの幸せとは

ペットの幸せとは何でしょうか?
わたくしは、ペットの幸せとは「この世に生を享けてから死を迎えるまでの間に、いかに充実した生活したかどうか?」という事だと思います。
ここでは、ペットである家庭犬としてのわんこや家庭猫としてのにゃんこの充実した生活とは、どのような物なのかを考えてみたいと思います。

<わんこの幸せ>

まず「体の大きさを問わず、飼い主との上下関係をしっかりと構築して、家族の一番下に居場所を決めてあげること」が重要だと思います。

一般的にわんこの祖先は、オオカミだと言われております。
オオカミは、群れで生活していました。
群れの中では、上下関係が構築されさていました。
現在のわんこにもこの群れの習性は受け継がれており、上下関係がしっかりと構築され、飼い主が群れのリーダーとなることがわんこのストレスを軽減することにつながると考えられております。
もし、わんこが群れのリーダーとなると、常に緊張して、警戒し、群れに気を配ることとなります。このような状況では、わんこにとって負担となり、ストレスとなることが判ってきております。
飼い主がリーダーシップを発揮して、群れのリーダーとなってあげるようにしてあげてくださいね。

次に、「わんこには、十分な量の食事を与えて、不必要な量のおやつを与えすぎない」ことだと思います。
わんこはきちんと決められた量の食事をしていても、満腹感を感じることが少なく、いわゆる”食い溜め”ができる動物だといわれております。
個体差はありますが、基本的には出された餌やおやつは全て平らげてしまいます。
もし、この習性を飼い主が理解せずに、「かわいいから」、「欲しがるから」と言って餌やおやつを無尽蔵に与えてしまったらどなるでしょうか?
もちろん、全て平らげてしまい、どんどんメタボ犬となってしまいます。
さらに、欲しがるからと言って人間と同じ食べ物を与えてしまうとどうなるでしょうか?
これも良くありませんね。
高カロリーですし、食塩などもとりすぎになってしまいます。
もし、わんこの禁止食が混ざっていると、病気になってしまったり、最悪のケースでは、死んでしまうかもしれません。

愛犬が元気で健康にいて欲しいと望むなら、決められた量の食事をしっかりと与えて、不必要なおやつや、人の食べるものを与えるのは避けるべきではないでしょうか。

その次に、「飼い主との時間をしっかりと作ってあげ、十分な運動をさせてあげる必要がある」と思います。
前述の通り、わんこは群れで生活する動物です。
もし、飼い主が愛犬との時間を持たず、ほったらかしにしていたらどうでしょうか?
孤独感を感じてしまい、ストレスとなるでしょう(個体差はあります)。
わんこにとって、飼い主から無視されということは、群れから除外されることに等しいので、毎日十分に時間をつくってあげてくださいね。
お散歩や、ブラシイングで愛犬との絆を深めるのも良いと思います。
あと、運動が不十分なわんこはストレスをため込んでいる可能性があります。
わんこにとってストレスは、問題行動の一因となりますので十分な運動を行ってあげる必要があります。
ただし、過度の運動は、体を壊すことにもなりますので、適度の運動量を管理してあげてくださいね。

その次に、「その子の子供を望まないのであれば、去勢・避妊手術を考えてあげましょう」。
「大切な愛犬にメスを入れるなんて!」と思われるかもしれませんが、わんこにとって去勢・避妊手術は、デメリットよりメリットの方が多いと言われております。
去勢・避妊手術を行ったわんこは、問題行動(オス犬のマウンティングやマーキングなど、メス犬の生理時の出血やイライラ感など)が軽減されたり症状が出なくなるといわれております。
さらに、成熟してからの性特有の病気(癌など)のリスクも大幅に軽減されることが確認されております。

最後に、「社会化期に親兄弟からしっかりと犬社会を学習している子犬を家族に迎える」ことも重要です。
最近の研究で、子犬の社会化期において、親兄弟からしっかりと犬社会を学習し、多くの人と出会いたくさん愛情を注がれた子犬は、成熟してからの問題行動(無駄吠え、咬みつく、犬嫌い、人嫌い、他の犬が怖い、人が怖いなど)が少ないことが判ってきております。
逆にいうと、社会化期に親兄弟や、人からの愛情が乏しいわんこは、問題行動は起こす可能性が高いということになります。
では、重要な社会化期とは、いったいどのようなものでしょうか。
一般的に、子犬の社会化期とは、生後3週齢~12週齢(21日~84日)ころまでだといわれております。
「ブリーダーさんの幸せとは」でも触れましたが、現在ほとんどの子犬が生後30日~45日ころにペット市場(オークション)に出展され、流通されております。
人間の都合で、生後30日~45日ころに親兄弟と無理やり引き離されることになるわけです。
生後30日~45日ころに親兄弟から引き離されると、子犬の社会化は不十分で、十分に犬社会を学習することはできません。
家族の一員として迎え入れたわんこには、従順で問題行動が少ないことを望むのは、誰しも同じことだと思います。
では、問題行動の少ないわんこを選ぶためには、どうしたらよいのでしょうか?
もちろん、その子の性格や個体差がありますので、ここで紹介する内容を考慮して選んでも、必ずしも理想とおりとなるわけではありませんが、根気よくしつけをすることで問題行動の多くは回避することができます。
わんこには悪気や罪はなく、最終的には、飼い主次第ということにはなりますが、社会化の失敗による問題行動は回避可能です。
子犬選びは慎重に行う必要があると思います。

<にゃんこの幸せ>

まず、死亡原因の第一位は常に外出時の交通事故だと言われておりますので、「屋内飼育を徹底することが重要」だと思います。
「猫は家につく」の文字通り、飼い主との関係より、住まいの環境を重要視する生き物だといわれております。
(とはいうものの、飼い主にはしっかりと懐きますし、甘えてくることもありますよ。)
飼い主が屋外への外出を許していると、にゃんこは生活圏の中を巡回します。特にオス猫はメス猫の見回りの為に比較的広範囲を巡回するといわれております。
この時に交通事故に遭遇する可能性がありますので、大切な命を守るために「屋内飼育を徹底しましょう」。

次に、「その子の子供を望まないのであれば、去勢・避妊手術を考えてあげましょう」。
猫の場合も同じです。
「大切な愛猫にメスを入れるなんて!」と思われるかもしれませんが、にゃんこにとって去勢・避妊手術は、デメリットよりメリットの方が多いと言われております。
去勢・避妊手術を行ったにゃんこは、問題行動(オスの徘徊やマーキングなど、メス犬の生理時の出血やイライラ感など)が軽減されたり症状が出なくなるといわれております。
さらに、成熟してからの性特有の病気(癌など)のリスクも大幅に軽減されることが確認されております。

最後に、「社会化期に親兄弟から猫社会をしっかりと学習している子猫を家族に迎えましょう」。
子猫の場合も生後3週齢~12週齢(生後21日~84日)ころの「社会化期」は重要です。
このころに親兄弟から十分に猫社会を学習しているかどうかで、成熟時の問題行動が軽減されるといわれております。
ブリーダーさんによると、社会化期に人から十分に可愛がられた子猫は、人に対する恐怖心が軽減され、人懐っこい子になるそうです。
子猫時代の社会化に失敗した猫は、攻撃的で、人嫌い、よく怒ったり、ひっかいたり、咬みついたりします。
誰にでも愛される猫の方が幸せなのではないでしょうか?
そういう意味では、子猫を迎えたら、いっぱい愛情を注いであげてくだいさいね。

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