ゴールデン・レトリーバーは、19世紀のイギリス(イングランド、スコットランド)で優れた狩猟犬を求めて改良が行われて作出された犬種だと言われております。
当時のイギリスでは、狩猟をスポーツとして楽しんでおり、より優雅で気品があり、獲物をレトリーブ(Retrieve:回収するという意味)する能力の高い犬が求められていました。その結果、ゴールデン・レトリーバーが作出されていったのだと思います。
貴族の遊びの一貫としての狩猟ですので、金色に輝くゴールデン・レトリーバーは、最適な犬種だったのではないでしょうか?
ゴールデン・レトリーバーの基礎となった犬は、1867年にスコットランドのブライントンという町で、黄色いウェーブのかかった毛を持つオスのレトリーバーだと考えられております。
その犬を見つけた貴族のツイードマス卿は、買い取り、インバネス州の領地であるグイーシカンへ連れ帰り、ヌースと命名したそうです。
まずは、オスのヌースにツイード・ウォーター・スパニエルのメスのベル(毛色:レバー)とを交配してカウスリップというメスが生まれました。
次に、メスのカウスリップにオスのツイード・ウォーター・スパニエルを交配して産まれたメスと、カウスリップの姉妹犬の仔のオス犬とを交配するといったように、ラインブリードとクロスブリードを繰り返していったようです。
ゴールデン・レトリーバーが作出されるまでには、ツイード・ウォーター・スパニエルの他にも、水猟犬のアイリッシュ・セターや、トラッキング(獲物の匂いを追跡すること)の能力が優れているブラッドハウンドなどとの交配が行われたと考えられております。
ゴールデン・レトリーバーの作出には諸説ありますが、この説が最も有力だと考えられております。
尚、ゴールデン・レトリーバーの作出には、以下の説もありますので、ご紹介しておきます。
ゴールデン・レトリーバーの基礎となった犬は、サーカス団に飼われていたロシアン・トラッカーだったという説です。
このロシアン・トラッカーに幾つかの犬種を交配するもののなかなか上手くいかず、1870年ころにブラッドハウンドとの交配により現在のゴールデン・レトリーバーが作出されたという説です。