子犬をご家族に迎えてから1週間程度経過したら、いろいろなことを徐々に教えていきましょう。
子犬に何かを教えるためには、飼い主さんと子犬との信頼関係が構築されている必要があります。
犬は”群れ”を構成して”リーダー”の命令に服従する習性をもっております。
ここでは、飼い主さんが”群れ”の”リーダー”となるために、子犬から信頼を勝ち取るためのトレーニング方法をご紹介いたします。
トレーニングを行う場合の時間の目安は、1回につき20分間が目安です。
長時間行うと子犬は疲れてしまいますし、集中力が切れてトレーニングに集中できなくなってしまいます。
子犬にトレーニングを行う場合には、短い時間で集中して行うようにして下さい。
1.ボディータッチ
「ボディータッチ」というと、「ただ、体に触ったり、撫で繰り回すだけ?」と思われるかもしれませんが、軽い気持ちで取り組んでも良い効果は期待できません。
本格的な躾(しつけ)に入る前のトレーニングだという意識で行ってください。
<ボディータッチの方法>
具体的には、次のように「ボディータッチ」を行います。
- 優しく「Good、Good、Good、<愛犬の名前>」のように声を掛けながら子犬の体を撫でたり、触ったりして行きます。
- 「背中」 → 「脇腹」 → 「上半身」 → 「前脚」 → 「下半身」 → 「後足」 → 「尻尾」の順に体の隅々まで撫でたり、触ったりしていきます。
- 体を撫でる場合は、毛並みに逆らって愛犬の地肌が刺激されるように撫でていきます。
- 子犬が好き勝手な方向へ行こうとしても、連れ戻して撫でることを続けます。
- 優しく撫でながら、「飼い主さんは、優しく頼りになる”群れ”の”リーダー”なんだよ!」、「優しい味方なんだよ!」「怖くないよ!」という気持ちで行うと良いでしょう。(その気持ちは、きっと子犬に伝わると思います。)
<問題行動の対処方法>
子犬が飼い主さんのやってほしくない行動(抵抗したり甘噛みをした場合など)をとった場合の対処方法をご紹介いたします。
特に、子犬が甘噛みをしてきた場合には、「歯がかゆいから」「歯が生え変わるのを促進するから」と言って、許すことは絶対にしてはいけません。
犬が噛むという行為は、「相手より優位になる」ということです。甘噛みを許していると、噛むことで相手より優位に立つことを学習してしまい、人間や他の犬、他の動物を噛むようになってしまいます。しつこいようですが、甘噛みは絶対に許さないでください。
◎子犬の背側頚部(首の後ろ)を掴んで、そのまま上に持ち上げます。
やや子犬がかわいそうに見えるかもしれませんが、背側頚部(首の後ろ)は母犬が子犬を移動したり、躾を行う場合にくわえる場所なので、この場所を掴んで持ち上げることは自然なことなのです。
※絶対に声で叱りつけたり、子犬の名前を呼んで叱りつけることはしないでください。
(名前を呼んでしまうと、「名前を呼ばれると悪いことがある」というように学習してしまい、名前を呼んだ際に委縮するようになってしまいます。)
◎子犬の背側頚部(首の後ろ)を掴んで持ち上げても、子犬が抵抗する場合
背側頚部(首の後ろ)を掴んで、床に押し付けます。
この時、ただ床に押し付けると子犬に怖い思いのみを与えてしまいます。
同時に優しく「Good、Good、Good、<愛犬の名前>」のように声を掛けながら、背側頸部を掴んでいる手の反対側の手で体を優しく撫でであげましょう。
子犬が落ち着いて、抵抗しなくなったら背側頚部(首の後ろ)を掴んでいる手を放します。
手を放した後も、優しく「Good、Good、Good、<愛犬の名前>」のように声を掛けながら、子犬が安心して落ち着くまで体を撫でであげるようにします。
この様にすることで、背側頚部(首の後ろ)を掴まれて、床に押し付けられたストレスが解消されます。
※絶対に声で叱りつけたり、子犬の名前を呼んで叱りつけることはしないでください。
(名前を呼んでしまうと、「名前を呼ばれると悪いことがある」というように学習してしまい、名前を呼んだ際に委縮するようになってしまいます。)
2.仰向け抱っこ
子犬が「ボディータッチ」をしても落ち着いて安心できるようになったら、「仰向け抱っこ」のトレーニングを行います。
犬が仰向けになることは、服従のポーズです。
仰向けにされても、落ちつて、安心して体を触られるようになることで、飼い主さんに服従するようになります。
仰向けで体のどの部分を触られても抵抗しないようになれば、この後のトレーニング(歯磨き、爪切り、シャンプーなど)が楽に出来るようになります。
どこを触られても抵抗しない犬を目標に頑張ってください。
<仰向け抱っこの方法>
- 飼い主さんが両足を揃えて、且つ伸ばして床に座ります。
- 飼い主さんの膝の上に、子犬を仰向けで寝かせます。
- 「胸」 → 「お腹」 → 「首」 → 「顔」 → 「頭」 → 「耳」 → 「前脚(足先、爪を含む)」 → 「お尻」 → 「後脚(足先、爪を含む)」 → 「尻尾」の順で体を撫でたり、触ったりします。
- 体の表面を撫でられたり、触られたりすることに対して抵抗しなくなったら、手で子犬の口を開いて「歯」や「歯茎」を触ります。
- 抵抗するようでしたら、体を撫でてあげます。(強く抵抗する場合には、長い時間撫でてあげるようにします。)
- もし、強く抵抗する場合には、「ボディータッチ」からやり直します。
<問題行動の対処方法>
子犬が飼い主さんのやってほしくない行動(抵抗したり甘噛みをした場合など)をとった場合の対処方法をご紹介いたします。
特に、子犬が甘噛みをしてきた場合には、「歯がかゆいから」「歯が生え変わるのを促進するから」と言って、許すことは絶対にしてはいけません。
犬が噛むという行為は、「相手より優位になる」ということです。甘噛みを許していると、噛むことで相手より優位に立つことを学習してしまい、人間や他の犬、他の動物を噛むようになってしまいます。しつこいようですが、甘噛みは絶対に許さないでください。
◎子犬の背側頚部(首の後ろ)を掴んで、飼い主さんの膝に押さえつけます。
「ボディータッチ」の時と同様に、ただ押さえつけてしまっては、子犬に恐怖心を与えてしまいます。
子犬を押さえつける場合には、優しく「Good、Good、Good、<愛犬の名前>」のように声を掛けながら、子犬を押さえつけた手の反対側の手で、子犬の体を撫であげてください。