犬にも人間と同様にさまざまな感染症があります。感染すると命を脅かすものや、人にも感染するものもあります。
これらの感染症に対して、あらかじめワクチンを接種することで体内に抗体を作り、防御機能を高めることができます。
生後間もない子犬は、産まれてすぐ母犬の母乳(初乳と言います。)を飲むことで、抗体を受け継ぎます。この抗体のことを移行抗体と言います。
移行抗体は、ほとんどの子犬が約生後6週間目くらいで効力が減少してしまいますが、生後10週間目まで持続する子犬もいれば、生後14週間目まで効力を発揮している子犬もいます。
中には生後120日程度まで移行抗体が残っている場合もあります。
移行抗体の効力が弱くなると、感染症に対する防御機能が低下することになります。
そこで、ワクチンを接種すると、子犬自身の免疫が接種したワクチンの抗原と戦います。
この抗原と戦った経験をすることで、子犬自身の抗体が作られます。
ただ、移行抗体の効力が残っているうちにワクチンを接種しても、移行抗体がワクチン接種した抗原をやっつけてしまう為、新たに抗体は作られません。
これは、子犬自身の免疫が抗原と戦った経験をしていないからです。