<良い子犬の条件とは>
良い子犬とは、どのような子犬のことでしょうか?
ときどき、子犬をお探しのお客様から「ショーに出す訳ではないから、そんなに良い子犬でなくても良いのですが・・・・」というような、ご要望をいただきます。
逆に、「両親がチャンピオン犬で、先祖もチャンピオン犬が揃っている子犬が欲しいのですが・・・・」というようなご依頼をする方もいらっしゃいます。
この様な理由で子犬を選んでしまうと、失敗することがあるかもしれませんね。
なぜなら、当店では、本当に良い子犬とは、「心身共に健全で性格の良い子犬」のことだと考えています。
<子犬の健全な心とは>
子犬は、母犬の真似をしながら成長しますので、母犬の性格が子犬の心の成長に大きくかかわっていることがわかっています。
親犬(父犬、母犬)は、ブリーダーさんの行動や性格をよ~く!観察しています。
私見ですが、「人柄がよいブリーダーさんの親犬は性格の良い子が多く、その子犬も性格が良いように思います。」
ただ、子犬の心の健康は、性格だけではありません。
子犬が「社会化期にどのような環境で生活したか?」ということがとても重要なことなのです。
子犬は、生後3週齢(22日)~生後12週齢(84日)の時期に「社会化期」を迎えます。
この時期は、子犬が社会(犬社会、人社会など)を柔軟に勉強することができるとても重要な時期なのです。
子犬は、親犬や兄弟姉妹犬と一緒に遊びながら犬社会を勉強していきます。
例えば、子犬同士で噛みつきあったり、乗っかったりすることは、「どの位の強さで噛むと相手が傷つくか?」、「犬社会で需要な序列」や「犬同士の遊び方や挨拶のしかた」などを学習しています。
時には、子犬が母犬に甘噛みをしていると、母犬が子犬のマズル(口吻)を加えて、子犬が反省の声を挙げるまで地面に押し付けて躾を行います。
現在(2014年6月)の法律では、生後56日(経過措置で2013年9月から3年間は45日と読み替え、3年後からは49日と読み替える)を経過するまで親兄弟姉妹犬から子犬を引き離すことが禁止されています。
法律で、子犬の社会化期を親兄弟姉妹犬と一緒に過ごすことが義務づけられたのです。
なぜなら、社会化期に犬社会の学習が不十分な犬は、不安定な性格となり、将来問題行動(無駄吠えや噛みつくなど)が増加することが分かっているからです。
ペット先進国の欧米では、長いブリーディングの経験から、社会化期を重要視して生後60日~90日以降に子犬を新しい飼い主に引き渡すのが一般的です。
日本では、多くのペットショップのお店に生後30日~45日頃に親兄弟姉妹犬から引き離された子犬が店舗に並んでいる現状がありますが、優良なブリーダーの多くは社会化期を重視して生後50日~60日以降の引き渡しを行っています。
<子犬の健全な体とは>
子犬に、先天性疾患や、遺伝性疾患の要素がないことはもちろんですが、家庭犬(ペット)として飼育する場合でも肉付きがよく、骨太で、骨格の構成が綺麗な子を選ぶと良いでしょう。
特に、小ぶりな子を希望する場合には、肉付き良く、骨太で骨格の構成が綺麗な子を選ぶようにします。
骨太で、骨格の構成が綺麗な子は、足腰が丈夫で老犬になってからも足腰の病気になりにくいといわれています。(※生活環境によって足腰の病気になる場合があるため、将来の健康を保障することはできません)
逆に、骨量が少なく、骨格の構成が崩れている子は、体に歪みを生じて足腰が弱く、老後に足腰の病気になりやすいようです。
例えば、人間でも、偏平足の人が疲れやすく、足腰が弱いのと同じことなのです。
<犬種標準書(スタンダード)の重要性について>
犬質の良し悪しは、血統書上のチャンピオン犬の数で決まるものではありません。
犬種標準書(スタンダード)を守ることで、骨格の構成や、毛量、色素の量などが健全な犬質になります。
犬種標準書(スタンダード)を守って繁殖された子は、その犬種本来の犬質を有していますので、病気にもなりにくいと考えられます。
実際、両親がノンタイトル(チャンピオン犬でない)の場合でも、健全な犬質の子はドックショーで活躍してチャンピオン犬として完成しています。
<極小サイズについて>
当店では、極小サイズの子犬はお勧めしておりません。
なぜなら、極小サイズの子は、体が小さく華奢なため、骨格の構成が崩れてしまい、体に歪みが生じてしまいます。
体の歪みから、将来、後肢の病気や、内臓系の病気へのリスクが高くなり、短命な子が多い為です。