トラブル相談・代表事例集!

ここでは、当店に全国から寄せられた数多いトラブル相談の中から代表例をご紹介いたします。
当店が関与していないご相談ばかりですが、まずはお話をお聞きし、可能な限りアドバイスしております。
トラブルを提起される方は、カッと熱くなっていますから長文も多いですが、できるだけありのまま記載しています。
お客様のことを考えない売り方に、同業者として怒りを感じます。
「ペットを買う、飼う」の際の参考にしてください。

■ご相談は

動物法務協議会 http://animallaw.at.infoseek.co.jp/
または 弁護士事務所 が適切と考えます。

■トラブル事例目次

事例1 感染症にかかった子を購入させられた!
事例2 環軸亜脱臼、水頭症、陰睾を先天性に持ったチワワ
事例3 悪質ペットショップ
事例4 悪徳ブリーダー
事例5 ペットショップから購入したヨーキーは先天的欠陥があった
事例6 豆柴が大型犬に!

◆事例1 感染症にかかった子を購入させられた!

子犬受取日の1週間前にお金を振り込んでいた。お金を振り込んだ翌日に突然電話が入り「今日明日中に引き取ってくれ。
いやならお金を返すから、この話はなかった事ことにしてくれ」と一方的に約束の変更を求められた。
仕方なく「家まで届けてくれるなら引き取る」と言い、その日の夜に自宅に届けてもらった。
ところがこの子犬は、その後外出もしていないのに 4日後から突然嘔吐と下痢を発症し、獣医の診断の結果「パルボウィルス感染症」 と判明した。
即刻、隔離入院して注射、点滴を続けているが3日経った今も死線をさまよっています。購入したペットショップに相談した所、以下のようにまくしたてられ全く取り合ってもらえなかった。

「絶対に治る病気だ。うちでは絶対に感染していない。生命補償契約もしていないのにどうしろと言うのだ。良い獣医など紹介できない。」

後で聞いた評判では、市価よりも安く売っているようだが問題が多いショップのようだ。

〈考察〉

  • ペットを購入される時には、何よりも 「売主の目利き」になることです。
    「ペットの目利き」 になろうとしても一般の方には無理でしょう。
  • この事例のように「おかしいな???」と思ったら、そのペットを買い急ぐことをしないことです。
  • ペットを購入した際の最も多い相談が、「購入してすぐの病気」です。
  • この中でも多いのが引き取る前に、ワクチンを打っていないための感染症です。
    ご相談を受けた半数は死亡しており、その責任問題を相談されます。難しいのはその責任を明確に立証できない点です。
    どの段階で感染したか立証できず、販売業者に「うちでは感染していない、他の犬も問題ない」と開き直られたりするケースです。
    最良の策は、いつ頃ワクチンを打っているのか(効かない時期に打っていてもダメ)、健康チェックはされているのか、万一の補償はどうなっているか などを確認することでしょう。
  • 実際に裁判となると、その原因が明らかにショップ側にあると獣医に証明していただかなくてはなりません。
    これも大変かも知れませんが、病気を特定できて購入時期と発病時期が潜伏期間から矛盾なく説明できるなら
    これを立証することもそれほど難しいことでないでしょう。

◆事例2 環軸亜脱臼、水頭症、陰睾を先天性に持ったチワワ

我が家では1年半前にチワワのオスを市内のペットショップで購入し、とても可愛いがっておりますが残念なことに環軸亜脱臼、水頭症、陰睾と 先天性(医師の診断でも先天性でしょう … と)の病を3つも抱えております。

この子を飼った頃はチワワブームということもあり、悪徳な繁殖業者も多数あったと、不勉強だった私は後で知りました。
そのことについてですが、周囲からの知識で「陰睾は、ある程度の犬を扱っている人は大体の見分けがつく」と聞きましたし、ネット上で調べたところ、業者は中等品のものを扱わなければならないと民法上にもありました。

現在は治療の甲斐があり、我が家の犬も安定しておりますが、やはり環軸亜脱臼で一時期は状態が悪くなり、治療費等で数十万はかかってしまいました。
これからも通院や水頭症のCT等で費用がかかると推測されます。
お聞き苦しいでしょうが、我が家の経済的な事情を考えると非常に厳しい状態ですし、治療をストップさせることも出来ません。
そこでお尋ねしたいのですが、 中等品の犬 とは どのような犬とお考えでしょうか???お聞かせ願えませんでしょうか??

〈考察〉

  • この子犬を買った時の契約書や補償条件 がどうなっていたか、
    特に初期の場合、死亡時や健康障害を補償する内容になっていませんか。
  • ペットを購入する場合は、民法第555条「売買契約」に該当します。
    この場合、売り手のショップと買い手のお客様の合意があれば、売買契約は成立し、法律上は契約書を交わさなくても契約の効力には無関係です。
    しかし、後々のトラブルや紛争をある程度予防する為にも、購入時には契約書や補償条件の確認が必要になります。
    それらは紙面である必要もなく、電子データでお互いに確認し、サインしていても構いません。
    そのショップが色々なお客様に、その契約内容を記載した電子データを活用しているなら、ショップからしたら個別に改竄することもあり得ませんし、お客様が改竄したとしても、他のお客様で利用していることを立証できるからです。
    但し、個別に内容が異なるなら、紙で残しておくことが必要です。
  • また、売買契約を交わす時、「売買の目的物」で特定物売買、不特定物売買の意味を理解しておかねばなりません。
    それは売買されるペットの選び方の違いから来るものです。
    特定物売買とは、特定のペットを指定して、そのペットを買う場合を言います。
    ショップに来たお客様が、ケイジの中にいるペットを見て「この犬を買いたい」と具体的な個体を指定した場合を言います。
    一方、不特定物売買とはペットの種類のみを指定して、その種類のペットを買う場合を言います。
    「トイプードルのレッド、メスを一頭買いたい」などの場合です。
    契約書には、ペットの種類・性別・カラー・誕生日など個体の情報が詳しく記載されている場合は、一般的に特定物と見なされます。
    また、単にペットの種類(トイプードルなど)・オス・1頭などの記載では不特定物となります。
    特定物売買と不特定物売買の違いが大切な理由は、ペットを引き渡した後にトラブルがあった場合の処理の仕方が異なってくるからです。
  • 後者の不特定物売買の場合、ショップは「中等の品質を有する物」を買主に売り渡さなければなりません。
    中等の品質とは、病気などをしていない子犬のことをいいます。
    売り渡しが終わっていると、ショップの債務の不完全履行の責任が発生します。
    この責任を問うにはショップの故意または過失があったことを立証することが必要になります。
    ショップが責任を逃れる為には、自己の過失がなかったことを立証する責任があります。
    ショップにおいて、子犬が病気になっていると言うことを知らなかったというだけでなく、動物取扱業者としての義務である注意義務を尽くしても病気になっていることがわからなかったということが必要となります。
    ショップがその立証をできないと考えるなら、損害賠償請求として、新しい子犬との交換、治療費の請求をすべきです。
    弁護士に相談して手続きを踏んだ方が宜しいでしょう。
    また、前者の特定物売買の場合は、事例5の「瑕疵担保責任」をご覧ください。

◆事例3 悪質ペットショップ

実は、〇〇でとても悪質なペットショップがあるのです。
そこは、売っている犬にワクチン接種を一切していません。
打っていないから、「打ってください」と言う指導もなく、私の友達が買った犬がパルボで死にました。
その件でペットショップと話し合いをしても、「ワクチンは当てにならない」とか、「代わりの犬を差し上げます」という答えしか返ってきません。
同じ時期に売られていた子犬、四匹も偶然、同じ獣医に掛かっており、四匹全部がパルボと診断されています。
これは、一種の動物虐待ではないでしょうか。どうしても子犬達のために、何とかしてあげたいのですが。

〈考察〉

  • このペットショップを悪質と決め付けるのはチョット早計と考えます。
    ペットショップの立場からの犬猫の仕入先は、オークション市場から仕入れる方法とブリーダーから直接仕入れる方法があります。
    前者の場合は、その市場で一頭でも伝染病に感染している犬がおったとしたら判らないまま、その犬から感染している可能性があるのに仕入れてしまい、そこから在庫している犬に全て感染してしまい、全滅になることもあります。
    伝染病の潜伏期間は7日~14日ほどですから、すぐには症状に出ません。知らないで仕入て販売したり、お客様に届いてから発症することもあります。
  • ゆえに欧米では法律で、在庫を抱えての展示販売が禁止されています。
    在庫している犬猫全てが、死に至るケースを防止する為です。
    その予防として、ワクチンがある訳ですが、この接種時期が犬猫の個体差があるために統一できません。
    一般的には60日目と90日目の2回打って、免疫力を付ける訳ですね。
  • 例えば50日目で買われるとしたら、その前に打ってもワクチンが効いていないこともまま発生します。
    これは親からの移行抗体がある為です。
    これが抜けた時に打つべきなのですが、それがいつなのか個体差があり特定できないのが難しい点です。
    従って50日目で買われるとしたら、効いていたら儲け者の気持ちからパルボとジステンの2種混合ワクチンを打つ場合もあります。
    その後にお客様に届いてから、60日目や90日目に打っていただくという方法です。
  • 理想は90日目のワクチンが済んでから販売する方法です。
    しかし、子犬の一番可愛い時期が45日と言われていますし、狭い日本の土地事情から90日目までブリーダーが保管するとなればスペースの問題も出てくるでしょう。
    これが難しいのです。
  • 従って当店では、出産情報をブリーダーが登録して1頭単位でお客様に販売する方法をとっています。
    オークションのように他の犬に接触する機会がないですから伝染病の可能性も低くなります。
    しかし、そのブリーダーの1頭の犬が感染していたら、当然他の兄弟も全滅になります。
    これではブリーダーとしてやって行けませんから、こんなことにならないよう努力するのが普通です。
    色々なブリーダーの犬が集まるオークションは確率的に伝染病の発生率が高いと言うことになります。
  • このペットショップが、代犬などの補償に応じているとしたら決して悪質とは言えない気がします。

◆事例4 悪徳ブリーダー

私が、悪徳なブリーダーさんに出会ってしまったので、この先同じ目に会う方が少なくなればと思い、書かせていただきました。
昨年あるブリーダーから仲介業者さんを通してラサアプソと言う犬の男の子を1匹購入しました。
この、仲介業者さんからはその前にもお願いして、犬を購入していたので、何もかも任せっきりでした。
そして我が家に到着したのですが、前に来た子の方が明らかに丸々としていて元気だったのに、この子は、とっても小さくて、そんなに元気ではありませんでした。
この子は生後37日目でした。
到着してから、この子に言われた通りのご飯をあげても、口にしませんでした。
きっと環境が違うから、まだ食べられないのだと思いそっとしていました。
次の日もあまり食べてくれませんし、便もユルユルでした。仲介業者さんに連絡をとって、全然食べてくれない、本当にブリーダーの家ではご飯を食べていたのかどうかを聞いてもらいました。
結果はとっても元気でご飯も食べていました。と言われました。
来てから5日程して、咳もし出しました。
私はビックリして、すぐ病院に連れて行きました。
すると、「パルボの疑いがある」 と言われパルボの検査をして貰いましたが、陰性でした。
糞便検査も寄生虫の発見はされませんでしたが、耳ダニがいました。
とりあえず、病院の療養用缶詰で様子を伺うことになりました。それでも全然ご飯を食べてくれません。
少しずつ注射器に缶詰を詰め、口の中に流し込んで舐めさせ、お腹の中に入れさせました。
しばらくして、咳と肺からはグシュグシュする音までもが聞こえてきました。
病院に行くと、ジステンバーの疑いがある、 すぐに母犬の元に戻し、母乳でも飲まないと命が危ないと言われました。
と言っても、ブリーダーは九州、ここは京都。戻すとなると飛行機は体力が持たないので、車で行ってください、と言われ、とりあえず仲介業者に連絡するので皮下輸液・栄養注射をしてもらい、一度自宅に連れて帰りました。
仲介業者と連絡は取ったものの回答がなかなかなく、子犬の状態が悪くなっていく一方なので、次の日、即入院させました。
ここには書き尽くせないほど色々手を尽くしてもらいましたが、 入院3日で亡くなってしまいました。原因はジステンバーでした。
生前に行っていたジステンバー検査でウイルスが検出されました。 この結果を仲介業者さんを通して、ブリーダーに伝えてくださいとお願いした所、 うちは、ジステンバーのウイルスはない、空輸中に感染した。もしくは、飼い主の家で感染した。うちは関係ない。 と言われました。
とにかく、こちらで確認したいので、遺体を送ってくれと言われました。
関係がないと言っているのに、遺体を送るとこちらには何も残りませんよね。ブリーダーにはお金は入る、遺体もある。
そんなこと納得できないので遺体は送れません、と言いその代わり死亡診断書・ジステンバー検査結果報告書を送付しました。
その後、生後37日で送ったのは飼い主が、早く欲しがっていたから、健康診断で状態は良かったから、と言われましたが、私はそんなに生後間もない子をこんなに早く送って貰う事を望んでいるなど、一度も口にしたことはありませんし、仲介業者さんも言っておられませんでした。
どうやら、ブリーダーと仲介業者さんの間に2~3人の方が入っておられたようです。まるで、伝言ゲームのように、間違った情報が届いていたようです。 それに、専門のブリーダーなら、生後37日のワクチンなしで空輸すると、伝染病に感染する恐れがあると知っているのなら、そのことを飼い主に伝えるべきではないのでしょうか?
それから、健康診断をされた獣医さんに問い合わせると、体温測定、胸の音を聞くような簡単な健康診断。血液検査もしていないし、ましてやジステンバーの検査もしていない。それだけでは、ジステンバーに感染していたかどうかは判断できない。と言われました。
と言うことは、 健康診断だけでは、ジステンバーに感染していた可能性は有るとも無いとも言えないですよね。 そして、仲介業者さんとブリーダーの話し合いの結果、今いる子犬40頭分のジステンバー検査を出してもらうこと、代替犬を半金で分けて頂くと言うことで合意したのですが、その後、全くブリーダーとの連絡が途絶えてしまいました。そんな誠意のないブリーダーは、繁殖の停止、全額返金、治療費の請求をしたいぐらいです。
ちなみに、その子が亡くなってすぐにうちの犬はジステンバー検査を2回して貰いましたが、陰性でした。しかし、最近調子が悪かったので病院に連れて行くと、ジステンバーの抗体検査の結果、抗体値が低すぎで陰性とはいえ、 その子からジステンバーに感染した疑いがある と言われました。
あんなに隔離していたのに、空気感染してしまった様です。今は、安定してきましたが、これからてんかん等の症状がでる可能性があると言われました。
このことは、こちらの管理不足なので仕方がありませんが、あの子さえジステンバーでなければ、こんなこともなかったのに、と思ってしまいます。 どうか、このブリーダーさんを取り締まる方法があれば教えて頂きたいです。

〈考察〉

  • このブリーダーは、かなり悪質であると思います。
    まず、弊社での販売と比較しますと、生後37日では親から離しての販売は、まず考えられません。
    これは、ワクチンプログラム (パルボ、ジステンバー等)の面から考えてもそうなのですが、この期間は何よりも大切な 社会化時期 であるからです。 親犬や、兄弟犬との喧嘩や遊びは絶対に必要です。
    心身ともに健全な犬の販売を考えた時には、最低でも生後50日から60日前後以降でないと、いけません。ブリーダーの中には、3ヶ月は子犬を渡さないとされているところもあるくらいです。
    この点から見ると、このブリーダーは病気を知っていたので、早く処分したかったのかも知れません。
    仮に弊社が仲介していたら、知っていたら絶対販売しない。事後ならお客様に補償、そしてブリーダーに連絡して仕入代金の返金要求、それに応じないならブラックリスト掲載、取引停止となるでしょう。もちろん告訴も辞しません。
    もう、すでに仲介業者、ブリーダーとのお話し合いは終わっているようですが、場合によっては、告訴に踏み切る等、断固たる手段を講じる手もあります。この辺は、弁護士に相談されると良いと思います。 一方、お客様ももう少ししっかりしていただきたいと思っています。 高いお金を出して命を買うのです。万一の補償はどうなっているのか確認しておくべきでしょう。
    いずれにしましても、悪徳ブリーダーを排除して行く動きは、今後も取り続けて行かなければなりません。
    弊社でできることから、一歩ずつ浄化したいと常に考えています。

◆事例5 ペットショップから購入したヨーキーは先天的欠陥があった

実は、7ヶ月前に、あるペットショップでヨーキーの子犬を30万で購入いたしました。
購入翌日から、食事を取らなくなり、嘔吐を繰り返しました。 ペットショップへ連絡したところ、すぐつれてきてくださいと言われました。
「しばらく預かります」とのことで、犬のためならと預けましたが、ペットショップでは、牛生肉などを与えられ、それは食べたのですが、翌日から下痢も始まり、ペットショップの対応では、「あなたたちが犬を疲れさせたからだ。」といわれました。
しかも、ペットショップで置かれ、病院にも連れて行ってもらえない状況と聞き、私は子犬を病院に連れて行くために引き取りに行きました。
そのとき、 「うちでは、病院代は出さない、それでもいいなら、つれて帰ってください。」 と言われました。すぐ、 ケンネルコフという伝染性の気管支炎 を持っていることがわかり、治療に通いました。犬舎などで、感染した可能性が高いということでした。
その時は、ペットショップと話し合いを持つことは諦めました。
購入時の売買契約のこともあり、「同等の犬と交換する」という保障しかなかったからです。
それから数ヶ月が過ぎ、ある事に気が付きました。ヨーキーの子が、活発にジャンプしなくなったということです。
歩くときも少しおかしい状態。病院に連れて行くと、股関節あたりから、骨が発育しない先天的欠陥があるといわれました。
後ろ足も、3センチほど長さが異なっています。
獣医から告げられたことは、繁殖や、芸、体重の増加に制限が出るということでした。
同じ病気が子犬に遺伝してしまうのと、体重が骨に負担になると痛みを伴うようになってしまうからです。
将来的に関節自体を切除してしまう手術が必要になる可能性も言われました。
♀犬だから、高価な価格で購入し、その子の子供を将来的に望んでいましたが、それも無理と宣告されてしまったのです。
他の犬と交換という条件には納得できません。遺伝的欠陥のある子犬なのですから、 購入代金の一部返金を求めたいのですが、契約がある以上は無理なのでしょうか。
大切な家族なので、商品とは思いたくありませんが、商品と考えてもB級品に1級の価格を支払ったことになります。
また、今後の治療費もかかってきますので、保障料として請求したいのです。
すでに、この子には購入当時から、病院代金に20万ほど掛っています。
今までは請求しませんでしたが、今回の欠陥については頭を痛めております。
こういうことは、弁護士を入れて話し合うべきでしょうか?

〈考察〉

数ヵ月後に遺伝性疾患と判った、その治療費や子犬を産めないことに対して購入代金の一部返金を求めたいとの内容です。
当初のケンネルコフもありますが、これは今回の問題とは切り離して考えるべきでしょう。

  1. ショップの立場からの考察
    • 遺伝性疾患と判っていたなら販売しなかったと言うでしょう。
      • 当然販売すべきでなく、その親を交配犬として扱った繁殖者の問題です。
      • お客様に対する責任は販売したショップにありますが、多分ショップでは仕入先の繁殖者に対してなんら折衝できないでしょう。
      • また流通過程から仕入先を特定できないこともあり得ます。
        つまりショップにとって仕入代金を返金していただくことはないと考えるなら、お客様に対しての補償金額も極力少なくするでしょう。
      • 遺伝性疾患となれば、獣医の証明書を要求するでしょう。
      • 民法570条に「瑕疵担保責任」があります。
        これは売買の対象が「その子犬」と言う「特定物売買」の場合、売買契約を結ぶ時にたとえ十分な説明をしていたとしても、それに欠点がないことを前提にしている訳です。
        570条では売買の目的物にチョット見ただけでは判らない欠点、つまり「瑕疵」があれば治療費などの損害を請求できると規定しています。
        欠点を明示してその分を値引いているといった特殊なものでないかぎり、ペットショップにはこの責任が残り、契約を解除することもできる、と規定しています。
        ただしお客様が損害賠償を請求できるのは、暇疵が発見されてから1年以内と限られていることも買う時に説明を受けていなくてはなりません。
        まだわずかですが、最近は、これを元に返金していただいたケースも出てきています。
      • ペット売買の慣習として、「ペットの返品・交換には一切応じません」との条項が目に付きます。
        瑕疵担保責任を回避するためのものですが、ショップ側が病気や欠点を事前に知っていたにも関らず、飼い主に告げなかったとしたら、その責任は免れません。
        いかなる契約でも内容が公序良俗に反したり錯誤に該当する時は、無効になります。
        仮に知っていて販売したなら、詐欺罪に該当する可能性があります。
    • 販売契約書や補償書はどんな内容になっているかです。遺伝性疾患は全く記載されていませんか?
      • 一定期間での死亡時、代犬補償だけですか? 当然その範囲での補償を主張するでしょう。
    • 生体販売は、特殊な販売ですから治療費に対して個別に補償していたら、このビジネスは非常に難しくなります。
      従って共済補償などもある訳であり、それに加盟していたならその範囲の補償も可能でしょう。
      ショップとしては、多分交換してくれたら最もコストが安く済むでしょうが、お客様の感情が絡みますから物のように簡単に行かない所が、一番難しいことになります。ましては今後の治療費に対しては、一切応じたくないとなるでしょう。
  2. お客様の立場からの考察
    • 先天的な問題であり、治療費や当初支払った一部料金の返還を求めたい。今後の治療費も発生する。
    • 愛情もあり、交換などには応じられない。
      この立場の違いから、お客様はどの程度の補償を要求したいのか、またすべきなのかを考え、ショップに要求すべきでしょう。それに応じない時に弁護士を立てて訴訟に踏み切ることも一策と考えます。
      ショップ側は裁判自体が、信用失墜と時間の浪費からなんとか示談にしたいと考えるはずです。
      常識のあるショップならの話ですが。
      開き直られたら、欠陥商品を売りつけられたとし、証明書を全て準備し弁護士に相談されたら良いでしょう。

◆事例6 豆柴が大型犬に!

豆柴をブリーダーから直接、約1年前に購入しました。
大きくなってしまい、豆柴どころか現在は柴犬の中でも大きい方です。
それはそれで家族の一員になっていますから仕方ないと諦めています。ただ、6ヶ月経ったら 血統書を送ると約束したのに、いまだに届かない ばかりか、問合せすると言い訳をすることが続いています。
こんなブリーダーに対して、被害者が増えるのではないかと思い相談する次第です。
なお、ジャパンケンネルクラブにも相談しましたが、個別のブリーダーに対しては何ら対応できないと言われました。

〈考察〉

これも悪徳ブリーダーの一例ですね。
豆柴でないのに豆柴と偽って高額で販売した。血統書も送ってよこさない。
明らかにこの事例は、特定物の売買に違反しています。
従って契約無効となりますね。詐欺罪による告訴として損害賠償の請求も可能でしょう。
泣き寝入りせずにガチンとやっていただきたいものです。
ところで、豆柴、ティーカッププードルなどはジャパンケンネルクラブに正式犬種登録されていない種類です。
つまり、大きくなっても補償できないものです。
これを業者から言われて、あるいは理解されて購入したのなら問題にはならないはずです。
その点がなされていない気がしますが、それを売買契約書なり、メールのやり取りで立証できたら必ず勝てますね。