◆多く見られる例
◎発情期のメスにオスが行う生殖行動。
◎オス・メス関係無く優位性を誇示する為に行う優位行動。
◎遊び等で興奮して行う。
◎人間・他の動物・縫いぐるみ等に対して行う
◆犬のタイプ
〈発情期のメスが居ないのに犬同士で行っている〉
この場合、順位の格付けを行っている行為と考えてください。
自分より劣位と思っている犬に対して行う場合です。
自分より優位な犬に対して挑戦する場合等があります。
〈発情したメスのフェロモンを嗅ぎ付けた〉
近くに発情したメスが居る場合です。
フェロモンの匂いを嗅ぐ事によりオスも発情します。
〈アルファシンドローム予備軍〉
主従関係が上手く築けて無い為に犬が飼い主よりも優位だと思っている場合です。
または、家族の中で比較的優位な立場にいると思っている場合等です。
子供等の比較的小さい相手に対して行う事が多いです。
〈興奮しやすい、または興奮を抑えきれない〉
遊びに夢中になると静止が効かない犬や日頃から遊びに対する欲求不満が強い場合です。
〈独占欲・支配欲が強い〉
犬種によっても様々な性格の違いがあり、持って生まれた性格である場合。
また、育った環境による場合もあります。
◆考えられる原因とそれに対する対処方法
〈犬同士で行っている〉
犬同士で行っている場合には上下関係を確認しているので、相手が同性でも関係有りません。
メスでもオスの背中にマウンティングをする場合もあります。
相手の飼い主に不快な思いをさせない為にも、直ぐに止めさせた方が良いです。
また、ドッグラン等の広場ではマウンティングが喧嘩の元になり易いと言う事で禁止されている場合もあります。
〈発情したメスのフェロモンを嗅ぎ付けた〉
この場合に行うマウンティングは生殖行動です。
メスのフェロモンに反応してオスが興奮してマウンティングを行います。
この行為も、子供を作らせる意思が無ければ静止させてください。
〈アルファシンドローム予備軍〉タイプ
飼い主や家族の人にマウンティング行為を行う場合には上手くリーダーシップが取れていないと思われます。
しっかりとリーダーは誰かと言う事を分からせないと治りません。
この場合には、主従関係をしっかり確立させる事で対処出来ます。
子供やリーダー以外の人にマウンティングする場合には、リーダーがしっかり止めさせます。
マウンティングの対象となっている人が服従ポーズを犬にとらせるのも効果があります。
犬は家族の中では一番劣位になると分からせる事が大切です。
〈興奮しやすい、または興奮を抑えきれない〉タイプ
興奮すると周りが見えなくなってしまう犬が居ます、その場合にはしつけによるコントロールが効果的です。
オスワリ・フセ・マテ等の号令を掛けて犬が落ち着くのを待ちます。
また、違う遊びに誘ってあげる事も良い方法です。
遊びたい欲求が強い場合にはかまってあげる時間を増やしてあげて下さい。
まずは落ち着かせて興奮状態を覚ます事が大事です。
縫いぐるみ等のオモチャに対して行ったり、タオルやフトン等にも行う事がありますが、危害を与えるものでは無いので気になさらない方はそのままにしておく事も良いかもしれません。
◆犬の雑学
〈マウンティングは犬社会で生きる為には大切な行為です〉
マウンティングは群れの中で上下関係を確認したり、生殖行動の時に行う行為です。
群れで行動してきた犬にとって無くてはならないコミュニケーションのひとつです。
良く生殖行動とひとくくりにされがちですが、一般に動物は他の動物に性的魅力は感じないと言われています。
人間対して行うマウンティングは生殖行動を行っているのではありません。
その場合、犬自身がリーダーだと思っていたり単に興奮状態にあると思われます。
マウンティングをやめさせたい場合
◎抱きつかれ難い姿勢を取る
◎離して無視をする
◎マウンティングしている最中に悲鳴や高音の声を出さない
◎しつけで使っている号令を使用する
キャーキャーと騒いだり、やさしく「ダメよ」等の声を掛けると逆に褒められていると勘違いしてしまいます。
毅然とした態度・声で「ダメ」「イケナイ」等の声を掛けてやめさせます。
やめない場合には、抱きつけない所に行ってしばらく無視する事も良い方法です。
メスを飼っている方は、発情期には散歩も考えましょう。
メスのフェロモンを嗅ぎつけるとオスが興奮状態になります。
なるべく他の犬に出会わないようにする事が必要となります。
ドッグラン等でも発情期のメスは喧嘩の元になる恐れがあるので出入りを禁止しています。
マウンティングを他の犬に行っている場合には、相手の犬の飼い主さんの事も配慮して直ぐにやめさせましょう。
マウンティングが元で大喧嘩に発展する場合もあります。
一番良い対処の仕方はリーダーシップを持ってしっかりと犬との信頼関係を結ぶ事やしつけをキチンと行い、いつでも言う事を聞ける様な犬に育てる事です。
また、去勢手術や避妊手術でも犬社会における上昇志向が無くなる為マウンティング行為が少なくなると言われてます。