ペット産業先進国の欧米の販売流通を知ろう

ペット産業先進国はどうなっているのでしょうか?


ペット産業先進国である欧米では、法規制が進んでおり、ほとんどが「仲介業者を通じてブリーダーの子犬・子猫を販売する」ケースか「ブリーダーが直接子犬・子猫を販売する」ケースで子犬や子猫が販売されております。
欧米では、ペットショップというのは、仲介業者のことになります。

日本が、今だに「ペット市場(生体オークション)で仕入れた子犬・子猫をペットショップの店舗で展示販売する」ケースが多いのは先進国の中でも法規制が遅れている為です。

では、なぜ欧米では「ペット市場(生体オークション)で仕入れた子犬・子猫をペットショップの店舗で展示販売」を行わないのでしょうか?

答えは、以下の通りです。

  • 狭いショーケースに子犬や子猫を閉じ込めて展示販売することは、過大なストレスが蓄積され、動物虐待につながると考えられております
  • 免疫力の弱い子犬や子猫にとって、ストレスが蓄積されると、免疫力が低下して、感染症の発症確率を高めることになります
  • 子犬・子猫にとって大切な社会化期を重視しているからです

つまり、ペット産業先進国の欧米のような販売スタイルは、感染症へのリスクが軽減され、子犬・子猫の大切な「社会化期」を考慮した、動物愛護の精神に則った販売方法であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

欧米諸国で、ペットが生活に浸透している理由は、心身共に健康な子犬や子猫を販売することで、成熟後の問題行動が抑制されますし、何よりも飼い主のモラルが非常に高いことが理由の1つだと思います。

これから、ペットを飼うことを検討している消費者の方には、欧米先進国での販売スタイルとその理念を知っていただき、日本のペット産業の矛盾をご理解いただいて、賢い消費者になってもらいたいと願っております。

子犬や子猫のいないイギリスのペットショップ


ペット産業先進国である欧米諸国では、動物愛護に関する法規制がとても厳しくなっております。ペットについても例外ではなく、繁殖者や、販売者業者はもちろん、飼養者(飼い主)にも多くの責任と義務が求められております。

特にイギリスでは、ペットショップの中を探しても子犬や子猫の姿を見ることはできません。法律による規制がないにも関わらず、子犬や子猫を店頭で展示販売を自粛しています(展示販売を行わない理由は前述の通りです)。

ペットを購入したいお客様は、ペットショップや、ブリーダーさんに生まれる前の子犬や子猫を予約して産まれてくるのを待つことになります。
予約を受けたペットショップは、ブリーダーさんに交配を依頼することになります。
依頼を受けたブリーダーさんは計画的に繁殖を行うことが可能なため、繁殖による犬の負担も軽減できることになります。
つまりお客様は、子犬や子猫を見て選ぶのではなく、良質な子犬を提供してくれるペットショップや、ブリーダーさんを選んで、繁殖をお願いすることになります。

アメリカのペット販売はどうなっているのでしょうか


アメリカのペットショップでは、動物愛護の観点から20年くらい前に店頭での子犬の生体販売が禁止されております(残念ながら、一部では生体販売が継続されているようです・・・)。

なぜなら、子犬の生産工場(大変劣悪な環境だったため、パピーミルと呼ばれていました)で繁殖された、生後8週齢(生後56日)に満たない子犬がペットショップで販売されていました。このような子犬の販売は、、子犬の社会化期を無視した動物虐待につながる行為であると考えられたためです。

現在では、州ごとの違いはあるものの、法規制(8週齢規制など)による子犬の安全が保たれているようです。

では、子犬の飼育を希望する飼い主は、どうするのでしょうか。

答えは、「ブリーダーから直接購入する」か、「仲介業者を通してブリーダーから購入する」ことになります。

なお、アメリカのペットショップでは、ドッグアドプションと呼ばれる里親探しを積極的に行っているそうです。
※ドッグアドプション(Dog Adoption)とは、犬の養子縁組のことです