パグの起源と歴史

パグの起源には、諸説あり、実はよく判っておりません。

パグの先祖は、今から約4000年前の中国にいたマスティフに似た犬だといわれております。
この犬はチベットの僧侶達にかわいがられた犬で、現在のパグの体の大きさと比べるとかなり大きな大型犬だったようです。

その後、今から約2400年前ころに改良が行われたようです。
ペキニーズや、チベットのスパニエルなどの血を取り入れることで小型化され、現在のパグのような犬が作出されました。

パグの基礎となった犬が初めて文献に登場するのは、紀元前700年~紀元前600年ころです。
当時は、魔よけ、厄除けの力がある犬と信じられていたようで、中国王室で大切に飼育されていました。
パグの顔のしわが犬種の特徴として扱われ、特に額にある縦のしわが漢字の『皇』に見えることから、『皇の印』と呼ばれていたようです。

16世紀(1500年代)になると、パグはオランダへ渡ります。
当時は、「東インド会社」による葉タバコなどの貿易が盛んで、その交易に伴って持ち込まれたようです。
オランダに持ち込まれたパグは、王様と一緒に肖像画に登場したり、お墓にパグの名前が刻まれるなど、オランダ王室の寵愛を受けることになります。
オランダ王室の主導の下ブリーディングが行われ、王室を象徴する犬となります。

17世紀(1600年代)に、オランダ軍がスペインに侵攻した際、オランダ軍にパグが同行すると、その人気がヨーロッパ中に広められました。

イギリスへ渡ったパグは、オランダから渡って来たことから「ダッチ・ドッグ(Dutch Dog:オランダの犬)」と呼ばれ、オランダ原産の犬と勘違いされたようです。
ここでもパグは、イギリス王室の寵愛を受けることになります。
ウイリアム三世やビクトリア女王など、王室や貴族の間で大変可愛がられたようです。

パグの人気は、オランダ王室やイギリス王室だけではありません。
ナポレオンの最初の妻である「ジョセフィーヌ」が、愛犬としてパグ(「フォーチュン」という名前でした)を飼育していました。

日本には、1945年(昭和20年)ころ渡って来ました。
当時は、小型のブルドッグと勘違いされていたようです。

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