等々力渓谷とは
- 名称:東京都指定名勝 等々力渓谷(とどろきけいこく)
- 所在地:世田谷区等々力2丁目外
- 指定:平成十一年三月三日
等々力渓谷は、国分寺崖線(ハケ)の最南端に位置する約一キロメートルの都内唯一の渓谷である。谷沢川(やさわがわ)が国分寺崖線に切れ込んで浸食したもので、台地と谷との標高差は約10メートルある。渓谷の斜面には、武蔵野の代表的な樹木であるケヤキをはじめ、シラカシ、コナラ、ヤマザクラ、イロハカエデなどとともに、常緑シダ類のような湿生植物が繁茂しており、渓谷内には、至るところから湧水(ゆうすい)の出現が認められる。
等々力不動の滝右手の露頭(ろとう)では、武蔵野台地の基盤を形成する地層を観察することが出来る。地層は上から黒土層、立川ローム層、武蔵野ローム層、武蔵野礫(れき)層、東京層の順で、武蔵野ローム層の中には東京軽石層が白くベルト状に認められる。国分寺崖線の湧水である。不動の滝は、武蔵野礫層と東京層との境から湧き出した地下水によるものである。稲荷不動の右手の石段下には、この滝に打たれて行をする修行僧が各地から訪れたと言われており、役(えん)の行者(ぎょうじゃ)ゆかりの霊場と伝えられている。
等々力渓谷は、東京都指定名勝「真姿(ますがた)の池湧水群(いけゆうすいぐん)」(国分寺市西本町)とともに国分寺崖線名勝群を形成する一つであり、東京を代表する自然地理的名勝として、植生学、地質学及び地形学上重要である。
等々力渓谷公園 案内図
等々力渓谷へのアクセス方法には、次のようなものがあるようです。
- 等々力不動尊(東京都世田谷区等々力1丁目22番47号)の境内から入る方法
- 等々力駅(東急大井町線)付近の出入り口(ゴルフ橋の脇にあります)から入る方法
- やがわはし(野毛一丁目15番地付近)から入る方法
今回は、等々力不動尊(公式WEBサイトへのリンク)をお参りして、境内から渓谷へ入りました。
等々力不動尊
等々力渓谷へは、こちらから入ることが出来ます。
等々力不動尊 手水舎(目黒通り側)
等々力不動尊 手水舎(等々力渓谷側)
等々力不動広場
境内は、銀杏などの紅葉がとても綺麗でした。
不動の滝
稚見大師御影堂
甘味処 雪月花
等々力不動尊をお参りした後、渓谷のお散歩に疲れたら、甘味処に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
等々力渓谷
等々力渓谷は、武蔵野の台地を谷沢川が浸食してできた全長約1kmの渓谷です。
渓谷沿いの崖では、地層の断面が観察できます。渓谷の上流で降った雨は、地面にしみこみ、立川ローム層から武蔵野礫層までの地層をゆっくりと濾過されながら浸透します。そして渋谷粘土売層まで到達しますが、この層は水を通さないため、粘土層と礫層の間を地下水となって下流へ流れていきます。この地下水が、地層の切れ目などから地表に出てきたものが、湧水となります。
等々力渓谷には、数多くの湧水が見られ、不動の滝のように特に湧水の多い場所もあります。
不動の滝は、修験者・役の行者(役の小角)が不動尊を彫ったとされる伝承から、役の行者の霊場として、各地からの修験者も多く訪れました。
また等々力渓谷では、湧水が流れる緩やかな斜面には、セキショウが生え、湧水がたまった湿地にはシャガやキチジョウソウをはじめとする湿生植物群落など、特有の植生が見られます。ハンノキやシダ植物のアスカイノデなど「東京都の保護上重要な野生生物種」に指定されている植物や、ハナイカダやハリギリなど東京23区内では珍しい山地性の植物も見られ、湧水や周辺環境の保全は、これら植物の保護のためにも重要です。
東京の名湧水57選
等々力渓谷および等々力不動尊の湧水は、東京23区内唯一の自然のままの谷壁が残っている渓谷であり、数多くの湧水が存在すること、また修行に用いられている滝があることなどから、平成15年1月東京の名湧水57選に選ばれています。
等々力渓谷 ゴルフ橋付近
等々力渓谷 等々力駅(東急大井町線)側の出入り口
等々力渓谷は、わんこのお散歩スポットとして知られており、多くのわんこと出会うことが出来ました。
等々力渓谷で出会ったわんこ達
前日に雨が降っていたため、地面がぬかるんでいましたが、多くの観光客や愛犬と一緒にお散歩をしている飼い主さんとすれ違いました。
この時期は、紅葉がとてもきれいで楽しむことができました。
季節は秋から冬へと移り変わっていますが、等々力渓谷へお散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。