<お店を選ぶことの重要性>
現在、日本では子犬を販売しているお店(業者)を以下のようなグループに分類することができますが、子犬を購入する場合に、あなたはどのような基準でお店を選んでいますか?
- ペットショップの店舗での子犬の展示販売
- ブリーダーさんからの子犬の直接販売
- インターネットによる子犬の仲介販売
どのグループのお店にも、メリット、デメリットがあり、販売スタイルによってお店の良し悪しが決まる訳ではありません。
良心的でよいペットショップに共通していることは、以下の条件を満たしていることです。
- 子犬の引き渡し時期を生後56日(8週齢)以降としている
※子犬が社会化期に十分に学習できるようにする為には、生後56日を経過するまで親兄弟(姉妹)と一緒に生活させる必要があります - 動物取扱業登録証が分かりやすい場所に掲示されている
- 犬舎(子犬の生活環境)が衛生的に保たれている
- 伝染病や寄生虫への配慮がしっかりとなされている
- 万が一、引き渡し直後の子犬が死亡したり、病気になったりした場合の保証が充実しており、明確にされている
- スタッフの知識が豊富で、飼い主に適切なアドバイスができる
<簡単なお店のチェック方法>
優良なお店の条件はお分かり頂いたと思いますが、消費者がお店の良し悪しをどのように見分ければよいのでしょうか?
世の中には、悪徳ペットショップや悪徳ブリーダー、悪徳仲介業者がまだまだ存在しているようですので、消費者がお店の良し悪しを判断できる目を養う必要があります。
具体的には、以下の内容をスタッフの方に聞いてみてください。
※上記の条件の番号と、以下の質問内容の番号が対応しております
- 販売している子犬は、親兄弟(姉妹)といつまで一緒に生活していたか?
- 動物取扱業登録証の掲示場所
- 子犬が排泄した後の掃除は頻繁に行われているかどうか
- いつからお店に展示され始めたか
- 購入後の保証内容
- 子犬の飼育方法や犬種の特徴など、積極的にスタッフと会話してみましょう
1.販売している子犬は、親兄弟(姉妹)といつまで一緒に生活していたか?
この事を確認することで、子犬にとって犬社会や人間社会を学ぶのに重要な時期で
ある社会化期の学習が十分行われているかどうを判断することができます。
「子犬を親兄弟(姉妹)から引き離した時期」-「子犬の誕生日」=「生後●日齢」
社会化期とは、生後3週齢~生後12週齢のことです。この時期の子犬は親兄弟(姉妹)や他の犬との遊びの中から犬社会を学びますし、人間や他の動物と接触することで、人間社会や他の動物との接し方などを学習します。
※社会化期の詳細についてはこちらをご参照ください。
親兄弟(姉妹)と引き離す最適な時期については諸説ありますが、ペットショップさくらでは、生後56日(生後8週齢)を経過してからの引き渡しを推奨しております。
2.動物取扱業登録証の掲示場所
動物を販売する業者(ペットショップ、ブリーダーなど)は、各地方自治体に動物取扱業の「販売」で登録して、その登録証を消費者から見て分かりやすい場所に掲示することが義務付けられております。
登録証の掲示がない場合、その業者との取引は避けるべきでしょう。
※当店の登録証はこちらに掲載しております
3.子犬が排泄した後の掃除は頻繁に行われているかどうか
展示販売を行っているペットショップや、ブリーダーさんを見学した場合、犬舎やショーケースが衛生的に保たれているかどうかを確認してみて下さい。
犬舎やショーケースの清掃が生き届いておらず、排泄物が長時間放置されているようでしたら、その業者との取引は避けるべきです。
4.いつからお店に展示され始めたか
親兄弟(姉妹)から引き離された時期と、店舗に展示され始めた時期を知ることで、伝染病の潜伏期間が経過しているかどうかが分かります。
「店舗展示開始時期」-「親兄弟(姉妹)から引き離された時期」=「感染症確認の為の隔離期間」
現在、展示販売型のペットショップの多くはペット市場(生体オークション)を利用しています。
仕入た子犬は、伝染病などの感染症に感染している可能性がありますので、通常、2週間から3週間程度隔離して、感染症が発症しないかどうかを確認します。
感染症の潜伏期間が経過していない子犬を展示している場合、子犬を連れて帰ってから伝染病などの感染症を発症する可能性がありますし、ショーケース越しに感染している可能性もあります。
やはり、感染症への配慮がない業者との取引も避けるべきでしょう。
5.購入後の保証内容
子犬は命ある生き物ですので、病気になったり、ごくまれにうまく育たずに死亡してしまうこともあります。
このような「もしも・・・」の場合に保証がある業者を選ぶべきでしょう。
それに、あまり知られていないのですが、子犬は法律上特定物という扱いになります。
売買成立時点において、お客様に過失がなく知り得なかった先天性疾患等の異常(「隠れた瑕疵」といいます)が後に発見された場合には、業者側に瑕疵担保責任が発生します。
やはり、瑕疵担保責任についても明確に提示している業者を選ぶべきでしょう。
ペットショップさくらの保証と瑕疵担保責任については、こちらをご参照ください。
6.子犬の飼育方法や犬種の特徴など、積極的にスタッフと会話してみましょう
子犬の飼育方法や選んだ犬種がライフスタイルにあっているかどうかなど、お店のスタッフさんと積極的に会話してみましょう。
特に、初めて子犬を飼うという方は、頼りがいのあるアドバイザーがあると何か困った際に非常に助かりますよ。
私がさくらを育てる際は、かかりつけの獣医さんに甘噛みの矯正方法など、いろいろと教えていただきました。(妻と私の間では、その獣医さんのことを親しみを込めて「よろず相談センター」なんて呼んでます)
<各販売スタイルのメリット、デメリット>
各販売スタイル毎のメリット、デメリットをご紹介いたします。
◎ペットショップの店舗での子犬の展示販売
日本では、ほとんどの子犬がこのタイプのお店で販売されておりますが、ペット先進国の欧米では、メリットに比べてデメリットの方が多く、このタイプの販売はほとんど行われておりません。
○メリット
- 消費者に近い場所で、実際に展示されている子犬を見ることが出来る
○デメリット
- 在庫リスクがあり、中間マージンが発生する為、子犬の質に比べて販売価格が高価となる場合がある
- ほとんどの店舗が、ペット市場(生体オークション)を通して生後8週齢に満たない子犬を仕入れおり、子犬にとって重要な社会化期の学習が不十分なため、成熟後に問題行動を起こす可能性が高くなります
- 不特定多数のブリーダーさんから子犬が集められるため、伝染病などの感染症への感染リスクが増大する
- 狭いショーケースに長時間いれられて、照明に照らされ、不特定多数のお客さんの見世物とされる為、未成熟の子犬にとっては過大なストレスとなる
- 感染症への抵抗力が未成熟な子犬にとって、上記のようなストレスが原因となり、感染症への抵抗力の低下や、成熟後の問題行動の発生が心配されます
- ほとんどの店舗では、親兄弟(姉妹)やブリーダーさんの情報を把握していないため、子犬がどのような環境で育ってきたかなどを知ることが出来ません
◎ブリーダーさんからの子犬の直接販売
ペット先進国の欧米では、ほとんどこのタイプで子犬が販売されております。
○メリット
- 子犬の社会化期に考慮した販売が可能
- よい子犬を入手できる可能性がある
- 子犬にとって不要なストレスがなく、心身共に健康な子犬を入手できる
- 感染症への感染リスクが低い
- 中間マージンがないため、比較的安価で子犬を入手できます
- 子犬が育った環境(犬舎など)や、親兄弟(姉妹)犬を見ることができる場合がある
○デメリット
- 都市部から離れた場所(郊外、山間部など)で繁殖を行っているケースが多く、ブリーダーさんのところまで行くのが大変な場合がある
- 犬の繁殖が専門の為、アフターケアが悪い場合がある
- たくさんあるブリーダーさんから、優良なブリーダーさんを探すのは困難な場合がある(見学の為の時間と、交通費などが掛かります)
- 消費者が、ブリーダーさんから提供された子犬が本当によい子犬かどうかを判断することは困難(専門的な知識が必要)
- 「もしも・・・」の際の保証や、瑕疵担保責任に対応していないブリーダーさんもいます
◎インターネットによる子犬の仲介販売
ペットショップさくらもこのタイプに属しています。
欧米のペットショップでは、お客さんから子犬の購入について相談があるとブリーダーさんへ仲介します。
ペットショップさくらでは、欧米型ペットショップを目指しております。
○メリット
- 子犬の社会化期に考慮した販売が可能
- 在庫リスクがないため、比較的安価で質の良い子犬を入手できる可能性がある
- 子犬が育った環境(犬舎など)や、親兄弟(姉妹)犬を見学することができる場合がある
- 子犬にとって不要なストレスがなく、心身共に健康な子犬を入手できる
- 感染症への感染リスクが低い
- インターネットを利用することで、簡単に多くの情報を検索することが出来る
- 質の高いブリーダーさんの子犬を見つけることが出来る
- アフターケアが充実しているケースが多い
- 「もしも・・・」の場合の保証が充実しているケースが多い
○デメリット
- インターネットという性質上、スタッフの顔が見えづらい
- 中間マージンが発生する