犬の被毛の仕組み

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犬の飼い主さんの間で、よく飼い犬の抜け毛のことが話題としてあがります。
「うちの子は毎日山のように抜けて大変だ!!」とか、「まったく抜けないけ毎月トリミング(被毛のカット)に連れて行くのでお金がかかって大変。」などと言うような会話がなされていると思います。

では、犬の被毛の仕組みはどのようになっているのでしょうか?

○オーバーコートとアンダーコート

犬の被毛は、一つの毛穴から太くて硬くオーバーコート(トップコート、一次毛、表毛、下毛)と、柔らかく綿毛のアンダーコート(二次毛、下毛)の両方が生えています。毛穴にはアポクリン腺が1つと、皮脂腺が1つ備わっております。
毛穴の一次毛と二次毛、アポクリン腺(匂いのもととなる汗腺)と皮脂腺に立毛筋を含めて毛包単位と呼ばれています。

オーバーコートは、外部からの衝撃などから皮膚を守ります。
アンダーコートは、皮脂腺からの油で雨を弾き、体温を保温する役割があります。

○毛周期とは

犬の抜け毛には、毛周期が大きく関係しています。
毛周期とは、1本の毛が生え始めてから抜け落ちるまでの一定の周期(サイクル)のことです。

毛周期のサイクル
成長期 → 退行期 → 休止期 → 成長期(次のサイクル)

<成長期>

成長期では、新しい毛が成長していく段階です。
新しい毛が成長することで、古い毛を毛穴から押し出すことにより、古い毛が抜け落ちます。
退行期に入るまで新しい毛は伸び続けます。

<退行期>

退行期では、毛の成長が止まる段階です。

<休止期>

休止期では、毛乳頭から離れて毛が抜ける準備が始まります。

このような毛周期は、毛の1本1本独立して備わっています。

この毛周期には、犬種ごとに異なっております。

○短毛種と長毛種

一般的に毛周期の間隔が短いと短毛種となり、長いと長毛種となります。
毛周期の間隔が短い分、短毛種の犬種は比較的抜け毛が多くなります。

<短毛種>

短毛種には、以下のような犬種があります。

<長毛種>

長毛種には、以下のような犬種があります。

○シングルコートとダブルコート

<シングルコート>

シングルコートとは、アンダーコートが退化してオーバーコートのみが発達した場合のことで、体温を保温する必要の無い温暖な地域で進化した犬種に見られます。
この犬種を飼育する場合、冬の寒さに対応するために犬用の衣服などで体温を調節してあげる必要があります。
シングルコートには、以下のような犬種があります。

  • グレートデーン
  • ダックスフンド(スムースヘアード)
  • ボクサー
  • チワワ
  • パピヨン
  • プードル(スタンダード、ミニチュア、トイ)
  • マルチーズ
  • ヨークシャーテリア

<ダブルコート>

ダブルコートとは、オーバーコートとアンダーコートの両方が発達した二重被毛のことです。
緯度の高い場所で進化した犬種は、寒さに適応する必要があるためダブルコートとなります。
ダブルコートには、以下のような犬種があります。

  • 秋田犬
  • ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
  • 甲斐犬
  • 紀州犬
  • ゴールデン・レトリバー
  • サモエド(シベリアン・スピッツ)
  • シェットランド・シープドック
  • シベリアン・ハスキー
  • ジャーマン・スピッツ
  • 四国犬
  • 柴犬
  • 日本スピッツ
  • 北海道犬
  • ボーダーコリー
  • ポメラニアン(ジャーマン・ツヴェルク・スピッツ)
  • ラブラドールレトリーバー

○犬の換毛期とは

換毛期とは、春と秋の年2回季節の変化に適応するために、大量に被毛が抜け換わることを言います。
春には、夏の暑さを乗り切るために冬毛を抜いて夏毛へと換毛します。
秋には、冬の寒さに耐えれるように夏毛を抜いて冬毛へと換毛します。

換毛期は、日照時間と気温が関係しているといわれております。
犬も季節の移り変わりをしっかり把握しているんですね。

換毛期はダブルコートの犬種で顕著に表れますが、シングルコートの犬種でも量は少ないものの毛は抜け変わっているようです。

換毛期には、古い毛が大量に抜け落ちます。
古い毛を残していると皮膚疾患の原因となりますので、毎日ブラシングしてあげてください。


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