○柴犬と日本人
柴犬は、兎や鳥(キジ、ヤマドリ)などの狩猟や、番犬として古くから日本人と一緒に生活してきました。
縄文期の遺跡から発掘された犬の骨と、柴犬の骨格が非常に良く似ているといわれています。また、柴犬の中でも縄文柴犬は、現在でも縄文時代の古代犬の特徴を引き継いでいるといわれています。
このことから、柴犬は古くから日本に住み着いた土着犬であり、日本人との歴史も大変古いものであることが分かります。
柴犬の飼い主への忠誠心は、この歴史の中で代々受け継がれてきたものかもしれません。
○柴犬の絶滅の危機
江戸時代が終わると鎖国から開国となり、外国から洋犬が輸入されるようになりました。洋犬との交雑が進むことで、柴犬の純血が徐々に失われていくこととなりました。また、明治時代の文明開化による交通機関の発達により、日本犬同士の交配や洋犬との交雑が加速して、柴犬は絶滅の危機を向かえることとなりました。
○柴犬の保護活動
昭和初期に入ると、柴犬の純血を守る活動が盛んになりました。
1928年(昭和3年)には日本犬保存会が創設され、1932年(昭和7年)から犬籍簿の整備と血統書の発行が行われるようになり、1934年(昭和9年)には、「日本犬標準」が制定されました。
1936年(昭和11年)には、柴犬が国の天然記念物(天然記念物に指定されている日本犬の一覧表はこちら)に指定されました。
○柴犬の受難
1945年(昭和20年)に終戦した第二次世界大戦後の食糧難や、1952年(昭和24年)の犬ジステンバーの大流行が原因となり柴犬の頭数が激減しました。