さくらとの出会い

第一回目はさくらとの出会いについてです。

さくらとの出会いは、あるショッピングモールに出店していたペットショップでした。
当時、妻との生活を始めて数年間で、共働きという事もあり、日々の生活をこなしていくのがやっとの状態でした。
そのショッピングモールには、映画を観て、車のテーマパークを体験して、最後にウィンドウショッピングを楽しむというお決まりのデートコースでした。
ペットショップへいくと、子犬や子猫が入れられた陳列ケースが50位(だいたいこれ位だったと思います。)並んでいました。
2人で陳列ケースを覗き込んでは「可愛いねぇ」と言いながら、しばらく眺めて帰ってきていました。
そのペットショップに何回か立ち寄っていると、妻も好みが固まってきており、「柴犬の子犬がかわいい」と言っていました。私は柴犬も嫌いではなかったのですが、「気性が荒く躾が大変だ」という先入観があった事もあり、シェルティーやポメの子犬がかわいいと思っていました。
ある時、2人で柴犬の子犬を眺めていると、店員のお姉さんから「抱っこして見ませんか?」と声を掛けられました。
周りの方も気軽に(?)抱っこさせて貰っていたこともあり、抱っこさせて貰いました。抱っこしている妻をみると、明らかに接し方が分からず持て余している様子でした。後から聞くと、今まで身近に生き物がいなかったので、どうしたら良いのかが分からなかったそうです。
その後、何回か立ち寄っては陳列ケースを眺めたり、抱っこをさせて貰いましたが、購入するつもりは無く、あくまでもウインドウショッピングのイベントとして楽しんでいました。(私は将来的にはわんこを飼いたいと思っていましたが、日々の生活で精一杯だったため、購入時期でないと考えていました。)
さくらと出会った日もいつも通り映画を見た後、ウインドウショッピングを楽しんでいました。
ペットショップへ行くと、一通り子犬や子猫を眺めた後、妻が赤柴の子犬(生後2ヶ月半)の前で釘付けになっていました。2人でしばらく眺めていると、店員のお姉さんから声を掛けられ、抱っこさせてもらうことになりました。
その子犬は、おっとりした性格で、人に構ってもらうと喜んでいるようでした。いつも通りなら、しばらく抱っこして店員さんに返していたのですが、妻は抱っこしたまま放すことはありませんでした。その子犬も、「(新しい飼い主は)この人かもしれない!?」なんて顔をしているように見えました。
私は将来的にわんこを飼いたいと思っていましたので、飼うことに反対ではなかったのですが、日々の生活に追われている実状を考えると賛成もできませんでした。
妻に、「毎日お散歩が必要なこと」、「排泄の世話が大変なこと」、「餌代がかかること」、「病気をすると治療費がかかること」などを話しましたが、妻の意思が変わることはなく、赤柴の子犬を連れて帰る事にしました。この時の子犬がさくらです。

ここで問題なのは、ペットショップに繰り返し通って、沢山の子犬を見ていたとは言え、ほぼ衝動買いに近い状態で購入している事です。
このペットショップのように、お客さんに子犬や子猫を抱っこさせて、衝動買いを誘う販売手法には賛成できません。
その理由は、陳列棚に入れられている子犬だけを見ても、「どのようなブリーダーさんで繁殖されてきたのか?」とか、「親犬はどのような容姿(毛色、大きさなど)をしているのか?」や、「親犬の遺伝病の有無はどうか?」、「親兄弟姉妹犬といつまで一緒にいて、社会化は十分か?」などは分からないからです。
それに、もし連れて帰った子犬が自分のライフスタイルに合っていなかったらどうなるでしょうか?
また、衝動買いに近い状態では、成犬時の大きさや習性を冷静且つしっかりと理解することは難しいと思われます。
飼育放棄の一番の原因は、衝動買いによる、飼い主の知識や理解不足が原因だと言われております。
さらに、最近では、社会化が不十分な子犬は成犬になってからの問題行動(犬嫌い、人嫌い、無駄吠え、怖がりなど)が増加する傾向があることが分かってきております。

私達も連れて帰った後、インターネット上の情報や、各種書籍で猛勉強することになりました。

第二回目:さくら(子犬)を連れ帰った当日と翌日の出来ごとへ

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