動物愛護について考える

動物愛護というと、どのようなことを想像されますか?

  • 捨て猫(迷い猫)、捨て犬(迷い犬)に餌を与えることでしょうか?
  • 野鳥などの野生の動物を餌付けすることでしょうか?
  • 知能の高い動物(鯨、イルカなど)の狩猟をやめることでしょうか?
  • 愛玩動物(ペット)を金銭目的で繁殖するブリーダーは悪(!?)でしょうか?

これらは間違えた愛情表現だとわたくしは考えております。

○捨て猫(迷い猫)、捨て犬(迷い犬)への餌やりについて

まず、捨て猫や捨て犬に餌を与えるという行為は、飢えているその仔を救う行為に思われがちですが、逆にその仔とその子孫に対して虐待の行為となることを理解してほしいです。
今の飢えをしのぐことが出来ても、その仔とその子孫の未来を保証することが出来ますか?

仮に避妊去勢をしていることを理由に餌付けをする方がいますが、餌を与えるということは活動するためのエネルギーを得ることになりますので、他の動物との喧嘩による鳴き声、道路へ飛び出すことによる交通事故、抜け毛や糞尿の処理など・・・・
この仔達が人間社会の中で生きていくために必要な問題は山積みなのです。
愛玩動物(ペット)は人が管理する環境でなければ生きていくことはできないとご理解いただければ幸いです。

ではどうすればよいのか?
それは、その仔を保護して次の飼い主さんを見つける努力をしてあげて下さい。
そして、動物を遺棄(捨てる)わがままな人間を決して許さないで下さい。

わたくしは、動物の遺棄を抑制するためにも、マイクロチップ装着義務の法整備が必要だと考えております。

○野鳥などの野生動物への餌付けについて

公園などで鳩にパン屑などを与えている方を時々見かけますが、これも大きな間違いであることをご理解いただきたいです。

野鳥などの野生動物は自然界のなかの食物連鎖によるバランスで生きています。
人が特定の動物に餌をあたえることで、その動物の繁殖力が増加することになります。
食物連鎖では、ある動物が増えると捕食される動物が減り、バランスが崩れてしまうのです。
このバランスは捕食した動物と、捕食された動物だけでなく、最悪その地域全体のバランスが崩れてしまいます。

また、鳩などの野鳥が異常に増えると、鳴き声、繁殖時に人に害を与える、糞害など人間の社会への悪影響の原因となってしまうことがあります。
この場合、駆除の対象となることもありますので、人間のわがままな理由で餌付けをすることは動物を虐待しているのです。

○知能の高い動物の狩猟について

欧米の動物愛護団体が、知能が高いことを理由に鯨やイルカなどの狩猟に反対するニュースを目にすることがありますが、わたくしはちょっと身勝手だな?と思いました。
鯨やイルカは狩猟して、食べ物とすることはいけないというのですが、ちょっと考えてみてください。
同じただ一つの命である牛や豚、羊や魚などは狩猟、または人の管理する環境で作り出し、平気に食べているのです。
命という意味では、鯨やイルカと、牛や豚になんの違いがあるのでしょうか?
わたくしは全く理解できません。

もちろん、その種が地球上から絶滅してしまうことは避けねばなりません。
ただ、海の中の食物連鎖に人間が介入して魚を捕獲している限り、食物連鎖の最上位にいる捕食動物も捕獲して、管理する必要があると思います。

人間は地球上で一番罪深い動物だと思います。
ですが、生きていくためには人間の身勝手な論理ではなく、地球上の生物全体を考えていただきたいものです。

○愛玩動物(ペット)の繁殖について

動物愛護を仰る方の中には、「愛玩動物(ペット)は保護施設からの譲渡されるべきで、犬や猫のブリーダーは悪だ!!」という主張を目にすることがあります。

確かに保健所(動物愛護センター)などの保護施設の動物を譲渡されるのはとても良い事だと思います。

しかし、犬や猫のブリーダーの全てが悪ではありません。

犬や猫などの愛玩動物と、人間の歴史は非常に長いものがあります。
縄文人のお墓から縄文柴犬の骨が丁寧に埋葬されていたという事実があり、日本人は非常に古くから犬との生活を営んできました。
犬はもともと狼を家畜化して、より人と一緒に生活しやすいように改良されてきました。
狩猟の御供として活躍するハウンドやレトリーバー、家畜の管理をするシープドッグ、番犬や重要施設の警護をする犬、人間の伴侶として活躍するコンパニオンドッグ、そして現在では、盲導犬やほじょ犬、セラピードッグなど多彩な犬種が作り出され、人間のお手伝いをしています。
つまり、犬という文化なのです。

捨てられた犬がかわいそうという一面のみで、繁殖をするブリーダーが悪だと仰る方は、人間の長い歴史と文化も否定なされるのでしょうか?

計画的に、犬種や猫種を維持・向上させるブリーディングは人間の文化と歴史を守っているのです。